ニキビ・ニキビ痕
通常の治療を受けてもなかなか治らないのが、ニキビ。長年にわたって悩まれている患者様が多いにもかかわらず、治療法が確立されたとは言えないのが現状です。ニキビ菌対策に主眼を置き2004年4月に学会発表しました。さらに2020年2月から導入した治療は、長期にわたり改善しなかったニキビを対象としています。
当院では、まずニキビが[1]~[7]の状態にあるのかを診察します。
【ニキビの形態分類】
- 非炎症性丘疹(毛穴のつまり)
- 炎症性丘疹(赤くなる)
- 膿疱(膿をもつ)
- 滲出性膿疱(表皮が破れて膿がでる)
- 炎症性瘢痕(赤いしこり)
- 色素沈着(シミ)
- 痤瘡瘢痕(凹凸のあるニキビ痕)
ニキビ(尋常性痤瘡)の経過は、患者様ご自身の顔で毎日観察されている経過なので、よく理解されていると思います。当院では[1]~[6]までをニキビ菌による感染症と考えて治療します。[7]はニキビ感染症後の凹凸によるニキビ痕なので切り離した治療を行っています。
ニキビは、6種類のニキビが混在するため、これらの6種類を同時に治すことができる治療が必要になります。
ニキビの原因は、皮下1.0~1.4mmに潜むニキビ菌( P. Acnes )です。このニキビ菌( P. Acnes )を叩くことが重要です。
ニキビの原因をストレスとする意見があり、このため精神科を訪れる患者様も多く、ニキビは精神科の対象疾患ではないため精神科医も困っている現状です。精神安定剤を服用してもニキビ菌が除去されないのでニキビは治りません。
同様に漢方薬を服用してもニキビ菌は除去されないのでニキビは治りません。
また、ニキビを悪化させている最大の原因は『保湿』です。ニキビ部分に保湿剤を塗布すると,保湿剤に巻き込まれたニキビ菌が正常な周囲の皮膚にまき散らされることになります。この結果,1~2個しかなかったはずのニキビが,いつの間にか数多くのニキビを認めるニキビ病巣ができることになります。
保湿は悪化の原因となるので、保湿は当院では禁止しています。
【リスク・副作用】
- 表皮剥離のためガサガサ状態になりお化粧がのらない。
- 発赤が部分的に数時間~1週間生ずることがある。
- 色素沈着をきたすことがある。
保湿によるニキビの悪化と拡大・・・保湿禁止
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顔面全体のニキビ:保湿により拡大
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保湿により拡大したニキビ
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保湿によるニキビの拡大と長期化によるニキビ痕を認める。
ニキビ痕
ニキビ痕(凹凸)を1回で治せるということはありえません。そう簡単に皮膚の構造を変えることはできないからです。
ニキビ痕治療のポイントは、トラブルを回避しながら定期的に治療回数を重ねることが重要です。
治療効果の高いことと術後の色素沈着がないことが求められます。
【リスク・副作用】
- 治療時の痛みがある。
- 治療直後より出血がある。
- 治療後の目立つ状態は1~2週間で改善する。
- 色素沈着をきたすことがある。
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保湿によるニキビ感染の拡大と長期化によるニキビ痕を認める。
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ニキビ痕治療は皮膚の構造を変える必要がある。